学童クラブ指導員非常勤化問題 緊急説明会 議事録(2003/1/31)

文責:かずママ
(本議事録はかずママの個人的な記録によるものであり、
文責はかずママにあります。要旨は「江戸川の保育を考える会」
からも 発表される予定)


開催日時:1月31日(金)午後7時〜9時
開催場所:グルーンパレス406会議室
議題:学童クラブ指導員の非常勤職員化問題 緊急説明会
区からの参加者:子ども家庭部  早川剛生児童女性課長
          岡部係長
          小林学童クラブ担当係長
          清水児童係主査
司会: 江戸川の保育を考える会 会長 西野陽子さん
参加人数: 31名 (うち江戸川WM ML参加者から:お姐、みま、ぴーぴー、あかねまま、勝海舟、かずママ、みーさん)

議事内容:
Part1.子ども家庭部児童女性課長 早川氏の説明
1−1.江戸川区の児童人口と学童施策
1−2.これからの学童施策
Part2.質疑応答:司会(考える会会長西野さん)の代表質問
2−1.短時間勤務員の導入理由とは?
2−2.今後の目標と移行スケジュールは?
2−3.9学童の選択理由(6ヶ所:児童館併設+3ヶ所:学童)
2−4.最終目標は?
Part3.参加父母からの質問・意見
3−1.なぜ保護者に説明がないのか
3−2.なぜ新しい学童を学校に作れないのか
3−3.全児童放課後事業について
3−3−1.後日説明会を開いてほしい
3−3−2.鎌田小学校の事業の運営主体は?
3−3−3.全児童放課後事業のあり方を保護者・指導員も参加する機関で考える計画は?
3−4.学童利用者の意見について
3−5.非常勤職員について
  3−5−1.非常勤職員の採用基準について
  3−5−2.非常勤職員は継続雇用が難しくなるのでは。
  3−5−3.指導者の意欲:常勤と非常勤とで差がないのか?
  3−5−4.常勤と非常勤との賃金差は?


Part 1. 子ども家庭部児童女性課長 早川氏の説明
1−1.江戸川区の児童人口と学童施策
江戸川区では毎年 7,000人の新生児が誕生している。区の住民平均年齢は39.47歳と若い。 2002年6月に江戸川区長期計画を作成したが、その中でも20年先も0−4歳児人口は増加すると予想している。 就業児も毎年増えている(現在34,994人)。昨年4月に東葛西小学校を増設した。 近年の女性の社会進出、子どもの増加があいまって学童入室希望者も増加している。区としても予算増を図っている。 [12月6日現在の学童申込状況表]
定員3,140名に対して申請者は3,407名(区作成(1/29/03)の配布資料参照「平成15年度 学童クラブ申込状況 速報」)。申込者家庭の保護者就労状態は様々だが、就労状態毎の統計はない(父フルタイム+母フルタイム、父フルタイム+母パートタイム、等々)。 学童は過去5年間で7ヶ所増やした。来年度は新設予定なし。現在の65ヶ所で60名受入れ人数を増やし定員を3,200名にする。2、3月の議会審議を通して予算を確保する予定である。
1−2.これからの学童施策
[学童を取り巻く環境]
学童を取り巻く環境は厳しい。景気の低迷を背景に区の財政も厳しい中、児童人口が毎年増えて いるため、子育て支援に関する経費も増大している。児童手当や乳幼児医療費などの予算は、来年度は 今年度に比べ15億8千万円増額していかなければニーズに応えていけない*。 *H15年度の児童手当は小学校に上がる前の子どもが支給対象だった。しかしH16年度は小学校3 年生まで対象枠を拡大するという国の施策もあり区の負担がますます増えていく、という背景がある。 その一方で区の税収は伸びないため、施策全般を見直している。区も人件費を抑制しようとしている。また就学児人口も増えているため、小学校の中にクラブを新設することが難しくなっている。そのよう な状況下でニーズに応えるため、学童の運営方法を工夫する必要がある。
H14年4月に東葛西8丁目学童クラブを新設した(児童数55名)。そこでは非常勤職員を採用。非常勤職員4名がチームを組んで運営にあたっている:   午前中、施設の有効活用のため親子学級を開いているがその運営には少人数であたる。   放課後、小学生を育成する時間帯に指導員を多く配置する。
この運営方法で順調に事業を実施している。
今年度は下記の9ヶ所の学童に非常勤職員を導入し拡大していきたい:
南小岩、一之江、小岩、平井、南篠崎、葛西 (この6ヶ所は児童館併設)、南平井、松島、大杉第二 当初は大杉第二ではなく西小岩第二が入っていた。西小岩第二は現行のまま常勤職員の配置となった。
 
[非常勤職員とは]
常勤職員は週40時間勤務に対し、非常勤職員は週30時間勤務。教員免許、保育士資格、適性をみて採用する。 すぐに辞められては困るので、意欲のある人を採用したい。採用後に必要な研修を行なう。 それまで働いていた指導員が残るので、新人を指導していく。これによりサービスレベルを維持していく。 *土曜日も開設している学童クラブでは、土曜日のみH.6年から短時間勤務指導員が勤務している。
[常勤ー>非常勤への移行方法]
4月に現指導員のうち1名の異動を考えている。その補充が非常勤指導員となる。サービスの低下がおきないように努めていきたい。
[学童クラブの今後]
学校に空き教室がなく、施設拡大も財政的に厳しい。状況は非常に厳しいが一方でニーズはある。どうやって応えていくか… そこで発想の転換が必要となる。 放課後・土曜日の小学校に様々な家庭の子どもを迎えたい。
鎌田小学校をモデルケースとした。そこでは:
・ 遊び場の提供にとどまらず、子ども達の生きる力を育てたい。
・ 区の職員・保護者・地域の人を配置する。
・ 就労家庭の子も参加させる。
・ 定員枠・学年枠もはずす(1-6年生まで参加可能)。
しかし、ただ来て帰るだけでは就労家庭の場合、安心を得られない。 そこで指導員を配置し、出欠を確認させることとした。生活指導も行なう。つまり、 「学童クラブ的機能を付加」している。
Part 2.質疑応答:司会(考える会会長西野さん)の代表質問
2−1.短時間勤務員の導入理由とは?
(早川課長)
・人件費をカットしたい。将来的には全指導員を非常勤化。
・週30時間勤務員の当初の運用法:
・週40時間勤務職員のうち1名を異動する。週30時間勤務員はその代用または新配置とす る(午後対応)。
・東葛西8丁目学童では計4名の非常勤職員が勤務している。午前中の親子学級対応を変えた。 現行の学童では午前の親子学級、午後の児童育成ともに同人数で対応している。それを午前中 2名、午後4名、と弾力的に運営する。
・土曜開室学童では、全職員4名中2名がローテーションを組み、土曜日の育成にあたっている。
・大きなマンションが建設されたら、1階部分に学童を作るなどしたい。
・これまでのような学童の増やし方はできない。でも増やす必要がある。人件費をカットするために非 常勤化を導入する。
2−2.今後の目標と移行スケジュールは?
(早川課長)
・現在、週40時間勤務指導員は159名。
・鎌田小学校の事業の推移をみた上で、従来の学童もこの事業に転換していきたい。
2−3.9学童の選択理由(6ヶ所:児童館併設+3ヶ所:学童)
(早川課長)  
・東葛西は新設だったが、今回の9ヶ所は既設学童。配慮が必要である。
・条件の異なる学童で様子をみたい:
・区の施設内にある学童(松島)
・学校の中にある学童(大杉第二)
(司会 西野)
・当初は西小岩第二が9学童に入っていたが、大杉第二に変更された。その理由は? (早川課長)
・申請状況の中で西小岩第二は定員拡大をしなくても良くなった(定員40名:申請者46名)。 一方で大杉第二の申請者が増加した(定員40名:申請者56名)。
2−4.最終目標は?
(早川課長)  
・小学校は有効な社会資源。小学校の場所を利用した新たな事業に学童を吸収合併したい:
・全学童で指導員を非常勤化。
・学童を全児童対策事業に吸収合併。
・参加する子の条件をすべて同じにするのではなく、全児童対策事業に[学童クラブ的付加価値] をつけていきたい:[学童クラブ的付加価値]=>非常勤指導員を配置し、出欠を確認させる。生活指導も行なう。
Part 3.参加父母からの質問・意見
3−1.なぜ保護者に説明がないのか 
(参加者)
・大杉第二ではチラシも配られていない。
・区民との信頼関係はどうなっているのか。
(早川課長)
近日中に説明の文書を配る、または説明会を開く。
(参加者)
・大杉第二小学校は校庭が広く子どもが迷子になったりもする。職員が減らされては困る。
(参加者)
・全クラブの保護者に周知するべき。
・情報公開するべき。
(早川課長)
・広報江戸川で2回ほどお知らせしたが、見てもらえなかったか。 一方で、説明会を開く時間がなかった。

[広報での通達について]
(以下に現在インターネットで参照可能な学童クラブ指導員非常勤化に関する広報記事リスト)
1. 平成15年1月20日の広報より↓
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学童クラブ・児童館 非常勤職員募集

勤務場所・曜日   学童クラブなど⇒月〜土曜/児童館⇒火〜日曜
※勤務時間はいずれも週30時間。
募集人数 保育士または幼稚園〜高校の教諭免許を有する45歳くらいまでの方若干名
申込・問合せ 1月27日(月)までに履歴書(写真貼附)を郵送(消印有効)または持参、
〒132−8501(住所不要)江戸川区役所児童女性課児童係(区役所2階6番)電話(5662)0073
◎書類選考し、2月1日(土)に面接・記述試験を行い2月10日(月)までに結果を通知。
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2. 平成14年4月1日の広報より↓
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・学童クラブの新設・運営の拡大  2億1,810万円
東葛西八丁目学童クラブを新たに開設します(64クラブ・3,080人⇒65クラブ・3,140人)。また、 新 設するクラブから、指導員を民間の人材に求め、新たな発想を活かした運営を行います。
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3. 平成13年7月1日の広報より↓
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子どもたちの居場所づくり 〜児童館・学童クラブ〜
 子どもたちの地域での過ごし方が時代とともに大きく変わってきている中、その居場所としての役割を担っている児童館と学童クラブを紹介します。
《夢と好奇心を育む児童館》
 児童館は、区内に7 か所。それぞれの施設や地域の特長を活かし、ゲームやスポーツ・楽器演奏など、様々な遊びを体験できる楽しい居場所です。「遊び」を通じて子どもたちの夢や好奇心を育て、また友達づくりができるよう、指導員や地域のボランティアが支援しています。
《留守家庭の子どもたちに学童クラブ》
 共働き家庭などの子育てと仕事の両立を支援するため、放課後家が留守となる小学校低学年の子どもたちをお預かりしています。子どもたちは、区内65か所の学童クラブで、友達と遊ぶだけでなく、掃除・後片付けなど生活に必要な力を身につけるとともに、集団生活を通じて助け合うことなどを学んでいます。
《地域全体で子育てを》
 将来を担う子どもたちが健やかに育ち、「生きる力」を養うことのできる環境を整えることは、家庭だけでなく、地域全体で取り組まなければならない重要な課題です。区では、子どもたちが地域の皆さんの温かな目に触れながら安心して過ごせる、新しい形の放課後の居場所づくりについて、今後とも様々な角度から検討していきます。
問合せ 児童係 電話(5662)8132
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3−2.なぜ新しい学童を学校に作れないのか
(参加者)
待機児が約200名いる。現在、学童の部屋には子どもがひしめいている。なぜ新しい学童を学校内に 作れないのか?
(早川課長)
・国の基準では児童一人当たり1.65平米のスペースを確保することになっている。
・学校を利用した全児童放課後対策事業に学童機能を持たせる。
・学校に学童専用の部屋が持てないため発想の転換をする。つまり、放課後の校庭・体育館を利用する。
3−3.全児童放課後事業について
3−3−1.後日説明会を開いてほしい
(参加者)
・後日説明会を開いてほしい
3−3−2.鎌田小学校の事業の運営主体は?
(参加者)
・鎌田小学校の事業の運営主体は?
(早川課長)
・教育委員会と子ども家庭部との共管事業。
(参加者)
・すばらしい対策だと思う。こういう対策があるということをアピールすべきだ。
3−3−3.全児童放課後事業のあり方を保護者・指導員も参加する機関で考える計画は?
(参加者)
・学年枠をはずすというが、単に教員免許・保育士資格があるだけでは1年生〜6年生までの各学年毎の発達段階の特性をくみあげられないのでは。
・今の計画では子どもが体調の悪いとき横になれる場所の確保や、学級閉鎖時・自然災害時の対応が抜け落ちている。利用者の意見も取り入れて機能を考えてほしい。
(参加者)
・全児童放課後事業のあり方を保護者・指導員も参加する機関で考える計画は?
(早川課長)
・全児童放課後事業は各小学校毎に進めていく。統合して検討する機関を考える計画はない。
・区の運営委員会で検討している。
3−4.学童利用者の意見について
(参加者)
・学童利用者の意見を聞いてほしい(3−3−3.と同様)。
(参加者)
・学童利用者の満足度調査をしてほしい。
3−5.非常勤職員について
3−5−1.非常勤職員の採用基準について
(参加者)
・区報で応募してきた人で十分なのか?
(早川課長)
・非常勤だからといって劣っているわけではない。
3−5−2.非常勤職員は継続雇用が難しくなるのでは。
(参加者)
・正規職員も残してほしい
(早川課長)
・正規職員の退職等による自然減、定員拡大をしたいクラブでの非常勤職員の採用、これらを見ながら、 非常勤職員の導入クラブを増やしていく。
(参加者)
・非常勤職員は身分の保証がない。継続して同じ人が勤め続けることができない。
・子どもの心理面を考えると、指導員がコロコロ変わるのが不安。
・ローテーションにより指導員同士が顔を合わせている時間が短くなる。
・人を育てるには時間がかかる。
(早川課長)
・長く働いてくれる、意欲のある人を採用したい。(最初の説明「1−2.非常勤職員とは」と同様)
  ・身分の保証というが、公務員にも様々な働き方があってもよいのでは。これから議論になってくると 思う。
3−5−3.指導者の意欲:常勤と非常勤とで差がないのか?
(参加者)
・非常勤職員のモチベーションをあげる工夫が必要。勤務評定も難しい。
       (参加者)
・1年生〜3年生までは友だち関係も難しい年頃。学童では指導員が子ども達のストレスを発散させて 家に帰してくれる。それが非常勤職員でも必ずできるという自信はあるのか?
・指導者の意欲は非常勤も常勤も変わらないのか?勤務時間の差だけなのか?
(早川課長)
・やる気があって非常勤という働き方を選ぶ人もいる。
3−5−4.常勤と非常勤との賃金差は?
(早川課長)
・一般に公務員の生涯賃金は3億円といわれている。非常勤職員の生涯賃金の数値はない。
・年収(税込)での比較は:
区役所職員(週40時間勤務)の平均賃金:780万円/年
 非常勤職員(週30時間勤務)の平均賃金:350万円/年


お姐総括

当日1,2号連れだったために何度も退出を余儀なくされ、とぎれとぎれの参加となりました。 かずママの力作にて欠落した部分を補うことができました。
率直に非常勤でも350万円の年収 とはびっくりです。これは企業の規模にもよりますが20代後半〜30代前半*女性*(<これがヤダね〜) 社員の年収くらいに相当しますよね? この位支払うのであれば、なにも週30時間とか「非常勤」 とか定めなきゃよいものを、やはり現職正規職員とはどこかで差別化せんとならんため「時間」で 線引きをしたということなのでしょう。しかし350万円平均とするとプロフェッショナルに支払う 報酬としてはちと安い。しかし不況下の懐事情を考えると780万円は高すぎる。安定した身分を確 保しつつ、時代に即した相応の報酬を支払うという打開策をめっけられないのでしょうか?  できないこともないように思われます。
また区としては全児童対象を目指しているようですが、今の質を維持して(できれば向上してもらいたいくらいなのに。。。)全ての子どもが学童のサービスを享受できるのならお姐としては反対する理由はありません。働く親の子どもたちにとっては第二の生活の場、専業の子どもたちににとっては遊び場、だから全児童は反対!という考えは私にはなじみません。親の就労の有無は関係なくあまねく子どもの「安心して遊べる地域の子どもの居場所」を「学童クラブ」が音頭をとって作っていって欲しい。 しかしながら質を落とし、安かろう悪かろうを薄利多売サービスを目指すものであれば断固反対でございます。 自主学童という案もありますが、利用者の親ばかりではなく地域をもっと巻き込んでいけたら、大人と子どもが縦のつながりができて小さい頃関わった子どもがティーンズになってタバコふかしてても「こら!なにやってんだ!」って愛情込めて叱れると思うのだけどな。そんな考えは甘いのでしょうか? 保育園問題とはまた別の問題をはらむ学童クラブ、保護者全体がしっかりと見守っていかねばならないと思います。お姐もまだどうあるべきなのかが明確に見えておらず、今後どんどこ模索していきたいと思います。
(深謝)m(__)m
当日どうしても子連れでないと参加できない保護者も多く、 やはり子どもたちの声がにぎやかでフロアの別室利用者の皆様に多大なる迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りて深謝いたします。


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