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◆H16.12.28(またしてもギリギリ!(笑))にH16.11.20に江戸川区より発表された次世代行動計画中間のまとめへの意見募集に対しFaxとe-mailにてゴリゴリの(笑)提言を提出いたしました!毎度のコトながら一挙大公開しま〜す!

 

次世代育成支援対策江戸川ワークマム協議会
 「江戸川区次世代育成支援行動計画中間のまとめ」への提言

1.『えどがわ新世紀デザイン』の個別の項目にとらわれることなく独自の策定を
 

「中間のまとめ」2頁に「本計画は−中略−長期計画『えどがわ新世紀デザイン』と方向性をともにしています」とあるが、長期計画策定が平成14年、計画期間(3年)は今年で満了する。時代も住民ニーズも刻々と変化しその都度見直すというのも長期計画の特性である。
よって次世代育成支援行動計画(以下行動計画)については住民ニーズを汲み取り「次世代育成のために何が必要か」ということに特化した行動計画の策定が臨まれる。これは長期計画の思想と反するものでなく逆に従うものである。
よって長期計画でその当時決めた個別の項目や表現に拘泥されることなく「区民の次世代育成にとっての最優先事項か」ということを考えて行動計画を策定することを望むものとする

 

2.「家庭的」という言葉を濫用しない
 

基本計画にも「中間のまとめ」34Pにも「家庭的保育の推進」とあるが、家族もそれぞれに事情を抱えていろんな形があり一人親であったり必ずしも生みの親が育てているわけでなかったりする家庭が増えている。というか、もともと人間は小さい人を手の空いた愛情ある大人が親でなくとも育ててきて、必ずしも親が親だけが育てていない、それが自然な姿と思われる。親だけではなく、子どもの回りの大人が子どもを育てているこれが本来健全な社会である。地域社会の活性化を促し子育て支援をうたうことは大切だが、地縁も薄れた現状で母親及び保護者だけ、すなわち「家庭」のみに子どもの育ちを委ねる危険性は虐待事件の頻発を見ても自ずと明らかに思われる。「家庭」の中に子どもや親・保護者、ことに母親をおしこめそれを支援するというのは次世代育成推進法の骨子からも時代に逆行する考えである。また核家族では親の先輩モデルから学ぶ機会もなく核家族だけに子育てを囲い込むのは今日的でもないし、古くから人間が行ってきた子育てでもない。家族は大いに開かれ回りの大人皆で子育てすることこそが次世代育成の精神である。
「家庭」という言葉そのものに悪い意味はないものの、外で働く父親と家庭を守る母親という「家庭」が連想される。「家庭的」という言葉を使わず子育てが開かれたものとなるよう「家庭的保育の推進」を「子育てに関わるすべての人々への支援の推進」としてもらいたい。

 

3.ゼロ歳児保育について保育ママ制度のみに確執しない
 

長期計画中の基本目標「未来を担う人づくり」「3.多様な保育サービスの提供→1.人間性の基礎を培う家庭的保育の推進」中に「保育ママ制度を充実します」と明記がなされている。私ども江戸川ワークマムには例年認可保育園のゼロ歳児枠に入れず困る親の相談が殺到している。保育ママ制度も一定のニーズも評価もあるものの、集団保育および保育環境を鑑み認可保育園のゼロ歳児保育のニーズが高まりを見せているのは否めない事実である。江戸川区は東京23区中唯一公立保育園でゼロ歳児保育を実施していない。実施率は16.0%。ちなみに最も実施している豊島区は97.1%、都下ではあるが昭島・稲城・青梅・国立・小金井・国分寺・狛江・多摩・東村山・府中・武蔵野は100%実施。かつて江戸川区と並んで認可でゼロ歳児保育を実施していなかった八王子市は現在79.3%の実施率である。江戸川区の次に実施率の低い台東区でも45.5%ということから江戸川区の認可保育園におけるゼロ歳児保育が異常な状況であることがわかる。(いずれも保育園を考える親の会「保育力充実度チェック2004」調べ)
長期計画でも行動計画でも「多様な保育サービス」とうたっているのだから33P「今後とも特にゼロ歳児保育については保育ママ制度の充実を図る」と限定するのは論理に矛盾が生じる。
また、本論2.でも述べたが密室育児による虐待が社会問題となっていることからも集団保育の実施が望まれるところである。
行動計画策定に当たっては保育ママ制度にこだわらず、「多様なゼロ歳児保育の実施」に視野を広げるべきである。

 

4.保育園でのゼロ歳児保育実施を行動計画に加える
 

3.でも述べたが、住民ニーズを汲み「中間のまとめ」34P「A保育施設の充実」部分に「保育園でのゼロ歳児保育の実施」を加えるべきである。
江戸川区議会において平成5年12月に公立保育園での0歳児保育は既に採択されており、あれから10年経ちますます需要が増えこそすれ減ることはなく、また「中間のまとめ」16Pにも「0〜2歳児の養育に関する希望は、年齢が低いほど自宅などで子育てしたいという割合が高いが、保育サービス利用したいという割合は増加している」とあり、住民ニーズについては実証されている。保育園におけるゼロ歳児保育の必要性はかようなことからも、また他区の実施率を鑑みても十二分にあるわけだし今後の10年はさらにニーズは高まるであろうから加えない理由は見あたらない。加えなかった場合はその理由の説明を全区民に公開すべきである。

 

5.男女共同参画推進法との連動を
 

「男女共同参画社会基本法」第15条の中に『国と自治体は、「男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策」を策定・実施するにあたって、「男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない」』という一節がある。今回の中間のまとめ35Pでも「(3)A男女共同参画の推進」をうたっている。現在上田も委員を務めている「江戸川区男女共同参画推進区民会議」にて策定中の「男女共同参画推進行動計画」と次世代育成支援の行動計画の連動は不可欠である。
子育て支援にかかわる施策(=次世代育成支援行動計画)は、まさにこの「男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策」に他ならないわけで、子育て支援の施策を策定・実施するにあたっては、「男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない」ということになっている。保育園での0歳児保育が極端に少ない、二人目以降が出来ると保育園と保育ママで二カ所保育になってしまう等の江戸川区の就労家庭保護者の悩みや負担を鑑みると早急に「男女共同参画社会の形成に配慮」が必要である。
よって、参画法と連動するこの度の行動計画「多様な保育サービスの充実」34Pにあたって保育園での0歳児保育の実施の追加はどの法律を持ってしても不可欠で不要な理由が見あたらない。重ねて行動計画への反映を望む。

 

6. キャリア教育の実施
 

「将来何になりたいのか」「そのためにはどのような勉強をしなければならないか」「どのような進路を選ばなければならないか」ということを定期的継続的にキャリア教育の専門家を招いて実施することで子どもは目前の勉強をがんばろうという意欲につながって行く。成績や学歴のための勉強ではなく夢の実現のためだから勉学に励めるという土壌を子ども達のために作ってもらいたい。
以上のことからP39「子どもの健やかな成長への支援A」において、「小中学校でのキャリア教育の実施」を加えて頂きたい。従来実施されている職業体験・進路指導とキャリア教育とは違うということも申し添えたい。

 

7.教育に携わる者への教育と教員・保育士の情報公開
 

子どもや保護者、区民への啓発事業はかねてより実施されている。今後は日々めまぐるしく変わる時代に合わせ、子どもを育むプロフェッショナルにも継続的な教育や研修が必要である。ついては41P「一人ひとりの個性と能力を伸ばす学校教育の推進A教育環境の整備」の中に「保育園・幼稚園の保育士、小中学校の教員の定期的・継続的教育及び研修」を加えて欲しい。
また子どもを育む人間がどんな経歴を持っているのか保護者は大変に関心を持っている。信頼に足る人間かそのための情報が不可欠である。
また、今年12月10日に文部科学省より発表された平成15年度のわいせつ行為による教員の懲戒処分は155名を数え過去最大となっている。再発防止と子どもを守るためにもこうした不祥事や問題を起こした、ことに子どもに危害を加えた教員・保育士に関しても情報を開示して頂きたく「保育士・教員の懲罰を含めた情報開示」を加えて欲しい。

 

8.養育家庭の推進
 

現在東京都が推進している「養育家庭制度」を江戸川区でも推進してはどうか。
43P「家庭や地域の教育力向上A」。

 

9.子どもの「心身の」安全を守る環境の整備
 

まず47Pの施策の柱だが「子どもの安全」→「子どもの“心身”の安全」と広げてみてはどうか?
また現在江戸川区では有志の保護者やボランティアグループあるいは警察による犯罪者情報がインターネットを活用し実施されている。これら、ばらばらに行われている犯罪情報を一括し、区民に提供してもらいたい。A部分に「区内犯罪情報の迅速な提供」を加えて欲しい。またBにおいては「子どもオンブズマン制度の導入」「子どもむけ相談施設(機能)設置」の追加をお願いしたい。

 

10.行動計画についての公聴会・パネルディスカッション等の実施を
 

かねてより江戸川ワークマムでは次世代育成支援対策地域協議会の発足を求めていたが残念ながら今日現在実施されておらず、その件に関しては多田区長より回答をいただいている。しかしながら、行動計画の策定に当たっての手順の透明性、健全性、内容が住民ニーズに沿うものかどうか、誰がどう軌道修正するのか、庁内の委員会のみに委ねるにはあまりにも偏りがでる。住民不在となってしまうことからヒアリングを実施した団体・個人を招き傍聴者も自由に聞ける公聴会やパネルディスカッションを平成17年2月までに実施して欲しい。その様子をケーブルテレビで放映、また結果は広報やホームページで徹底的に情報公開をしてもらいたい。

 

11.行動計画庁内立案検討会委員の氏名の公表を
 

区民が公募で委員となる場合は実名公表が基本である。長期計画の策定委員も上田も参画している男女共同参画区民会議も委員は皆実名公表している。区民がそうなら職員にいたっても担当者氏名を勿論公表すべきである。これからの10年が左右される大切な行動計画策定にあたり担当者名が不明というのは非常に不透明で健全ではなく責任の所在が明らかではない。住民参加型協議会を設けないなら担当者公表はなおさらのことである。担当者は氏名を公開することで責任を持って任務を果たしてもらいたい。行動計画が策定された後もヒアリング実施団体同様ホームページ上でも、冊子となった場合も庁内立案検討委員のメンバー表(もちろん氏名入り)の添付をお願いする。

 

12.次世代育成推進対策の条例づくりを
 

推進法の精神に則った条例作りがのぞまれる。例えば兵庫県川西市の「子どもの人権オンブズパーソン条例」のように、なにかあったときに起動力の根拠となる条例の策定が望まれる。行動計画が「絵に描いた餅」で終わらないためにも条例の存在は必要不可欠である。

 

  以 上

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