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江戸川区のゼロ歳児保育についての考察

江戸川区男女共同参画区民会議委員 上田令子

★高まる「保育園(集団保育)でのゼロ歳児保育」のニーズ

江戸川区における次世代育成支援行動計画「中間のまとめ」16Pにも「0〜2歳児の養育に関する希望は、年齢が低いほど自宅などで子育てしたいという割合が高いが、保育サービス利用したいという割合は増加している」とあります。女性の社会進出と連動し、是非はともあれ区民が求める公共サービスとして年々乳幼児保育のニーズは高まっております。

★江戸川区のゼロ歳児保育の現状

江戸川区では保育ママ制度を中心にゼロ歳児保育を実施してきましたが伝統的な事業であり一定のニーズも評価もあるものの、保育環境を鑑み認可保育園のゼロ歳児保育のニーズが高まりを見せています。江戸川区は東京23区中唯一公立保育園でゼロ歳児保育を実施していないためゼロ歳児保育の実施率は16.0%にとどまっております。(別添資料ご参照)最も実施している豊島区は97.1%、都下の昭島・稲城・青梅・国立・小金井・国分寺・狛江・多摩・東村山・府中・武蔵野は100%実施。かつて江戸川区と並んで認可でゼロ歳児保育を実施していなかった八王子市は現在79.3%の実施率となっています。江戸川区の次に実施率の低い台東区でも45.5%ということから江戸川区のゼロ歳児保育実施率が特異な状況であることがわかります。(いずれも保育園を考える親の会「保育力充実度チェック2004」調べ)
なお、江戸川区議会において平成5年12月に公立保育園での0歳児保育は採択済ですが今日現在実施に至っていません。

★保育ママ制度のみならず「多様なゼロ歳児保育」が求められています

江戸川区で男女共同参画をめざす就労子育て世帯はゼロ歳児保育が保育ママ制度中心なため以下の点で困っています。
1.兄弟ができた場合保育ママと保育園の二カ所保育となる可能性があり、親の物理的精神的負担が大きい
2.保育園でのゼロ歳児保育の枠が極端に少ないためゼロ歳児保育の選択肢が狭まっている
3.保育ママに預けた子どもは1歳になってから保育園に再び慣れなくてはならず、子どもにとってかえって負担になる恐れあり。
4.保育ママの情報が公開されていない。(情報公開している墨田区の例別添)
共同参画の担い手である就労世帯を支援することは男女共同参画推進に不可欠であることから、認可私立園でのゼロ歳児保育の拡充、公立認可保育園でのゼロ歳児保育の実施が求められています。

★保育園でもできる「家庭的保育」

江戸川区では保育士さんも保育ママ同様熱心に保育に取組み、子どもに愛情を注ぎ育てていらっしゃいます。環境がきちんと整備され、保育士と1対1の関係がきちんと築けていれば現在の都基準の加配(保育士1似対し子ども3名。保育ママも3名まで預かれることとなっているので保育園と条件は同じです。)で「家庭的保育」が十分可能です。

★児童福祉法でも保育園での保育を中心ととらえています

児童福祉法 第24条(第1項)
市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。ただし、付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。
児童福祉法にのっとり、区内認可保育園でより一層ゼロ歳児保育を進める必要があると考えます。


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