江戸川区に対する指導のお願いの添付資料


以下は添付資料として厚生省に提出した、プレWDさんの区への質問文書&区からの回答文書です。

プレWDさんコメント:  特に質問項目1、2については、区は正面から答えていませんよね。(というか、答えられないと思う。)
1については、「江戸川区は0歳児保育をする保育園が少ないのでやむを得ず保育ママでやっています。」ということを 言っているのでしょうか。 であれば、「保育園より保育ママの方が望ましいので、公立保育園では0歳児保育をしない」 って言うのは本末転倒で、理屈が立たないですよね。
2は、たとえ「保育ママ制度の充実」をしても、保護者が入所を諦めない限り 「待機児童」は解消されないことは理解しているということでしょうか?
3.は、昨年2月の厚生省「保育所待機児童解消ヒアリング」の対象となったのは、 23区のうち江戸川区、足立区、大田区、世田谷区、練馬区の5つだけであるという事実を 認識しているのでしょうか?

みーさんコメント:  3についての預かり児童数が多いというのは単に総人口が多いだけです。保育所普及率(定員/人口)などをみると 23区では下から数えてトップ3を流動していると思われます。 ”福祉が充実している”とうたい人口増を目指すのなら、それに見合った予算を先に 組み福祉施設も充実していかねばなりません。本当に『できる限りの努力』をしてほしいものですね。
『0歳児保育を行っている私立保育園で待機児19名』というのはいつの時点の何の数値なのか 明記されていないのですが、この数値には保育ママや認定保育室等 に預けている子どもは待機児童にカウントされていないことは明らかです。19名では例えば葛西地区の 0歳待機児童者数にも満たないでしょう。
 また区側の回答の最後の これからも母親のぬくもりとスキンシップが感じられる保育ママ制度の充実に努めていきたいは保育ママの質全体を 鑑みると寒−い文書です。-_-;待機児童解消に走りすぎ、保育の全体の質を落としてどうするんでしょう。 せめて保育ママ育児中の乳児死亡や高齢化で保育ママが急に死ぬ事も今後一切ないことを祈ります。 良いママも沢山います。しかし安心して親がまかせられないママの事例も多く聞いています。 全ては区の監督の甘さ・制度の不備に起因するものですから、保育助成係は責任を持って仕事をしてください。 親に保育ママを紹介するだけで、後はよほどの問題が起らない限りは全く対応しないという 現在の状況はせめて改善してほしいものです。(区からの回答に対してはいつも同じコメントをつけているような気がする>自分)

<質問>


平成12年2月21日


江戸川区長 多田正見 殿

 江戸川区の保育行政に関し、下記の点について疑問がありますので、3月3日(金)までに文書にて回答いただけますようお願いいたします。

     
  1. 江戸川区では、「乳児は家庭で保育されるべき」との理由から、0歳児に対する保育は専ら「保育ママ」によることとし、区立保育園での0歳児保育を行っていないため、保護者が希望しても保育園での0歳児保育は極めて困難な状況にあります。
     (1)0歳児保育について保育ママを原則とする江戸川区の政策は、乳児等について保育所における保育を原則としている児童福祉法第24条第1項*に反するものと考えますが、江戸川区はどういう見解ですか。理由を明示してお答え下さい。
     (2)(1)で同法に反しないとお考えの場合、「その他の適切な保護」が例外的に認められる「やむを得ない事由」とは何ですか。具体的に教えて下さい。
     
     *児童福祉法第24条第1項
       
      市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。 ただし、付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。
     
  2. 公表されている待機児童数には、「保護者が保育所での保育を希望しながら希望が通らず、保育ママに預けられている児童」も含まれていると聞いています。保育ママに預けられていても「待機児童」であるということは、「保育所における保育」が原則であることの証左にほかならないと考えますが、いかがですか。

  3. 江戸川区では、保育所、保育ママ等による保育を受けることができず、区の公的支援を受けない民間サービスに依存せざるを得ない保護者が少なくありません。また、区の窓口に保育の相談をすると 「他の人はシッター等で頑張っている」旨を言われることもあると聞きます。
       このような実態を踏まえると、区は、児童福祉法第24条第1項に定められた「保育所における保育」又は「その他の適切な保護」を行う義務を必ずしも果たしていないと考えますが、いかがですか。

  4. 児童福祉法の解釈については、所管官庁である厚生省に問い合わせ、その方針に従うべきであると考えますが、いかがですか。


<回答>

 **実際の回答は保育ママ担当である江戸川区福祉部保育課保育助成係から 項目に対応しない平文で届きましたが、(対応した形での回答は難しいと考えたのでしょう)わかりやすくする為に 質問と回答を並べてみました。

項番質問これに対する回答

 江戸川区では、「乳児は家庭で保育されるべき」との理由から、0歳児に対する保育は専ら「保育ママ」によることとし、区立保育園での0歳児保育を行っていないため、保護者が希望しても保育園での0歳児保育は極めて困難な状況にあります。
 (1)0歳児保育について保育ママを原則とする江戸川区の政策は、乳児等について保育所における保育を原則としている児童福祉法第24条第1項*に反するものと考えますが、江戸川区はどういう見解ですか。理由を明示してお答え下さい。
 (2)(1)で同法に反しないとお考えの場合、「その他の適切な保護」が例外的に認められる「やむを得ない事由」とは何ですか。具体的に教えて下さい。

  江戸川区では0歳児保育について、家庭保育を第一義と考えております。しかしながら、就労等の都合によりやむなく、保育を希望される場合には、できるだけ家庭に近い環境の中での保育が望ましいと考えています。このため、0歳児保育は、子育てに熱意と愛情のある保育ママ制度による保育を実施しています。  制度発足後30年余、この間9,000名を超える乳児が保育ママを巣立っています。
 2月1日現在、234名の保育ママで437名の乳児を保育しております。量的にも保護者のニーズに応えていると考えます。
 さて、児童福祉法第24条では「…児童を保育所において保育しなければならない」の後に「ただし…やむを得ない事由があるときはその他の適切な保護をしなければならない」としております。
 ご疑念の点については、厚生省の考え方を表している逐条解説書によれば、『保護者が申し込みを行った場合に、現実には付近に保育所がない場合や地域の保育所全体を通じて、申し込みに係る児童の受け入れ能力がない場合は、第24条第1項ただし書きの事由に該当し、  市町村は申し込みがあった児童に対して地域実情に応じて適切に保護しなければならない。「適切な保護」の具体的な例としては、児童福祉法上の「保育所」に該当しないへき地保育所や季節保育所のほか、家庭内保育(いわゆる「保育ママ」)による対応や、「適切な保護」にふさわしい一定の質が確保された認可外保育施設に対する  あっせん等を行うことも該当しうるものである。』となっております。
 以上により、江戸川区の保育ママ制度は、児童福祉法第24条第1項に違反していないと考えております。

 公表されている待機児童数には、「保護者が保育所での保育を希望しながら希望が通らず、保育ママに預けられている児童」も含まれていると聞いています。保育ママに預けられていても「待機児童」であるということは、「保育所における保育」が原則であることの証左にほかならないと考えますが、いかがですか。

  待機児童についてですが、厚生省の規定では、待機児童の概念を「入所申込書が提出されており、入所要件に該当しているが、入所していないもの」としています。
 江戸川区では、0歳児保育を行っている私立保育園で19名が待機児となっておりますので、待機児が保育ママに預けられている場合もあろうかと考えます。

 江戸川区では、保育所、保育ママ等による保育を受けることができず、区の公的支援を受けない民間サービスに依存せざるを得ない保護者が少なくありません。また、区の窓口に保育の相談をすると 「他の人はシッター等で頑張っている」旨を言われることもあると聞きます。
   このような実態を踏まえると、区は、児童福祉法第24条第1項に定められた「保育所における保育」又は「その他の適切な保護」を行う義務を必ずしも果たしていないと考えますが、いかがですか。

 江戸川区が「保育所における保育」又は「その他の適切な保護」を行う義務を必ずしも果たしていないとのことですが、待機児は都市部に顕著な現象です。入所希望者が定員を超える場合、必ず発生します。特に23区内で、待機児のいない区はありません。江戸川区では、公私立保育所全体で在園児が8,464名、 保育ママでお預かりしている0歳児437名を加えると、8,901名になります。これはトップの数字です。
 また、少子化の時代の中、平成6年を底に、12年対比で0歳〜5歳人口が約5,500人増えております。対象人口の著しい増加の中で、できる限りの努力をしていることをご理解いただけたらと思います。

児童福祉法の解釈については、所管官庁である厚生省に問い合わせ、その方針に従うべきであると考えますが、いかがですか。

 江戸川区の保育ママを含めた保育事業について、厚生省より児童福祉法に違反しているとの指摘はございません。  0歳児については、これからも母親のぬくもりとスキンシップが感じられる保育ママ制度の充実に努めていきたいと考えております。