江戸川ワークマム主催シ ンポジウム「かわいそう攻撃に負けないで−ママいってらっしゃい!」報告 


平成13年6月10日に東京都江戸川区の区民ホールで開催された江戸川ワークマム主催シ ンポジウム「かわいそう攻撃に負けないで−ママいってらっしゃい!」。 お陰さまで約100人名の参加者が集まりました! 当日の様子を報告致します!


◆シンポジウムの概要
主旨は、自分の子どもを他人に預けることについて不安を持 ったり、周りから「こんなに小さいのに他人に預けるなんてかわいそう」と心無 い言葉に傷ついている親を対象に、「大丈夫」と言いたい!というのがテーマで す。(詳細こちら
その根本になっている「3歳児神話」の根拠のなさを、アカデミックな立場 からお茶の水大学の内田伸子先生にお話をしていただき、その後の実際働く母親2名 のパネルディスカッションでは、「どうやってかわいそう攻撃を乗り越えた か」という話を具体的なエピソードを交えて話してもらいました。

◆当日の様子
やはり、人選が良かったのか、内田伸子先生の、子どものしつけ方や叱り方など の子育てアドバイスや子どもと大人との関係についてのお話はとても興味深く、 1時間という短い時間では物足りないものがあり、参加者から募ったアンケート にも「もっとお話が聞きたかった」という声がほとんどでした。母親だけでな く、父親、また、これから母親になるであろう若い女性や保育士さん等プロにと ってもとてもためになるお話だったようです。
また、2回目のシンポジウムとい うことでスタッフにも余裕があったのか、多少のアクシデントはあったものの大事 には至らず無事終了しました。
今回は専業主婦にも(にこそ)是非来て頂きたく広く呼びかけました。 やはり、参加したのは働く母親がメインとなりましたが、少なからぬ数の主婦も参加、また保育士のも多数来ていただきまして大変励みになりました。また、女子大生も参加してくれて、「初めて子どもが欲しいと強く思った!」と感想を述べてくれたことがことに嬉しかったです。 若い人たちが子育てや人生を自分の足で歩くことにポシティブになれる きっかけを与えられたと思うと頑張った<甲斐があったというものです。

◆内田先生のお話について
A.戸惑う母親の思いに自信をつけさせてくれたお話
?子育ては、量より質だということ。どれだけ関わったかというよりも*どう*かかわるかということが大切。
?子どもは自分の所有物ではなく、別個の人間として尊重すること。いずれ社会 に返すが、一時的に育てているだけだということ。
?早期教育は百害あって一利なし。子どもが興味を示さない限り、能力は伸びな い。小学校前に読み書きができない子とできる子の差は、その年の9月頃までに はなくなってしまう。逆に遅かった子の方が読み書きができるようになったこと を喜び、それができることによって生まれた価値を身を持って知ることができ る。幼児期には読み書きで表現したくなるような内面の充実、想像力を育むことが必要で ある。

B.特に印象に残ったお話
?米国スタンフォード大学付属幼稚園でのお話。そこ保育士は、子どもがクリエ イティブなこと、ユニークなこと、その子独自の工夫をしたときにすごく誉め る。つまり「人と違うこと」をしたときに誉めるそうです。日本の保育士はこう いうことはしない。
?ベネッセの幼児教育雑誌「ちゃれんじ ぷち」監修のお話。始めは「早期教育 は断固反対。それに加担するようなことはできない」と言って断っていたようで す。3回目に先生のゼミ出身者のベネッセ担当者が「ぜひ早期教育に反対してい る内田先生に監修をお願いしたい」と言って来たそうです。そこで「全てに文句 をつけるがそれでもいいか?」ということにベネッセが承諾したため、デザイナ ーさんや絵本作家さん、すべてのものに文句をつけているそうです。
しまじろう パペットも先生のアイデア。「パペットの口がパクパクできるようにすること!」という 注文もつけたそうですが、「表情が変わってしまうからどうしてもできない」と言われ 渋々妥協したそうです。どんなにコストがかかっても文句を言って、極力修 正してもらったそうです。色はパステル調の上品な色を使い、装飾もシンプル。 また保護者へのメッセージも極力少なくすることで、大人も頭を使うことがで き、子どもがそこから創造力を吸収できる。大人が考えなくなったら、子どもも 止まる。さすが人気のしまじろう。なるほど、と思いました。 内田先生、パペットの口についてはまだ諦めてらっしゃらないとのこと。いつか しまじろう人形の口がパクパクしたら、それは内田先生の仕業(笑)。楽しみに待ち ましょう!

C.こちらが用意していた質問に対する回答

◆先輩ママのパネルディスカッション
埼玉からの転居、転園を乗り越えた元気な3人兄弟のママと、 夫や姑舅の反対に遭いながらも働きながら子育てすることの理解を深めていった ガンバリ同居ママの話を伺いました。内田先生の科学的な話で正しい知識教養が 身に付いたところで、子育てという日々のサバイバルライフをたくましく、手抜き 息抜きをしながら切り抜けていく様をおもしろ楽しく語ってもらい、多くの親たちが共感し、 爆笑と安堵の息が会場を埋めました。
完璧を求めてキリキリするよりもちょっと手抜きして気楽でいた方が子供にも自分にもいい。 きれいにしなくてもいいんだ、と思ったら肩の力が抜けた。
最初は保育園に懐疑的だった夫が保育園生活を実際に体験して3年経った今"なんか、 保育園っていいところだね"と言ってくれた」。この二つの言葉が印象的でした。

◆後日談
YomiuriWeekly 7/8 号 21頁「3歳児神話の呪縛からの解放」という特集記事にて 当日の様子が取り上げられました!! 我々のシンポを基軸に三歳児神話を一刀両断した話が展開。 いくつかの専門的な見地から「3歳児神話の根拠の無さ」について書かれ記事自体もとても興味深い もので、お姐も米粒大(爆)で載りました。( ;^^)ヘ..
こうした様々な層が読む雑誌に取り上げられて内輪だけで終わらない問題提起ができました。 重ね重ね参加して下さった皆様、盛り上げて下さった裏方の皆様に御礼申し上げます。m(__)m


ホームページへ